仕事で上手くいかない日々が続き、先が見えなくなってくると、
「今の仕事、自分に向いていないのかな」
「もしかして、辞めるべきタイミング?」
なんて考えが頭をよぎって、辞め時のサインや体験談を調べたことはありませんか?
でも、ネットや書籍で出てくるアドバイスはどうしても”一般論”になりがちで、個別の事情に寄り添った回答は得られにくいもの。
だから、一通り読んだとしても、「で、結局、自分の場合はどう判断すればいいの?」と、いまいち分からないままなんですよね。
そこで今回オススメしたいのが、”AIカウンセリング”です。
最近ではAIを日常的に使っている方も増えてきていますが、今回のようなケースでも
実はAIがものすごく的確に回答してくれます。
この記事では、日々AIを駆使して仕事をする元会社員・現フリーランスの私が、
仕事の辞め時を知りたい場合に、具体的にAIにどう聞けば良いかを解説します。
この記事でAIの実力を知れば、あなたも絶対に使ってみたくなるはず。
そのまま使える質問の型(プロンプト)だけではなく、一般的な辞め時のサインやAIを使うメリット・注意点などもまとめたので、ご自身で試す前にぜひご一読いただければ嬉しいです。
一般論の確認(1) 辞め時となる10のサイン
早速本題となるAIの事例を紹介したいところですが、まずは、一般的によく言われている辞め時のサイン10個をリストにして確認してみたいと思います。
- 人間関係のストレス・ハラスメントがある
- 体調がよくない・心身の不調を感じる
- プライベートの時間が確保できない
- 昇給や昇進が見込めない
- 新たなことを学ぶ機会が少なく、成長を感じられない
- 会社の理念や社風が合わない
- 思ったような評価が得られないことが続く
- 会社業績が低迷しており将来が不安・同僚が次々辞めていく
- 会社や仕事に対してモチベーションが上がらない
- やりたかったことと今の仕事に乖離がある
ここでは一つ一つ詳しく解説することはしません。
ただ、この回答を基準として知っておくことで、AIからの回答の妥当性も判断しやすくなるはずです。
一般論の確認(2) 辞める前にすべき5つのこと
同様に、仕事を辞めるか迷っている人に対して、一般的には、辞める前に何をすべきだとアドバイスされることが多いかも見ておきましょう。
- 辞める理由を言語化して明確にする
- 辞めた場合の生活を具体的にイメージしてみる
- 在職中に転職サイトに登録し次の仕事探しを始める
- 長期休暇を取得しリセットできないか検討する
- 信頼できる人(上司・同僚・人事部門・家族等)に相談をしてみる
一時的な感情や短期的な衝動で行動するのではなく、
- 現実的に辞めても生活が成り立つのか、
- 辞めずに済む選択肢が残されていないのか、等
熟考の上、段階を経て決断すべきだというメッセージが読み取れますよね。
AIを使ったカウンセリング事例紹介
それではいよいよAIを使った個別診断(カウンセリング)の事例を紹介していきます。
今回使用したのはChatGPTです。
現時点では、対話型の生成AIとして名実ともに最も優れているとされています。
タイプの異なるプロンプト例2つそれぞれで、挙げ、実際に使って得られた回答を紹介します。
また、対話型の生成AIとして他に普及している『Gemini』と『Felo』について試した結果についても載せていますのでご興味のある方は参考にしてみてください。
1)『当てはめ型プロンプト』の使用例
1つ目のプロンプトは、ある程度決められた枠に自身の状況を入力することで、一発で深い回答を得られるものです。
私は現在、〇〇業界で△△という仕事をしています。
勤務歴は〇年、労働時間は1日〇時間ほどです。
最近「仕事を辞めたい」と感じているのですが、それが一時的な気持ちなのか、実際に辞め時なのか判断がつきません。
主な理由は【〇〇】です。
体調は【例:メンタルが不安定で、朝起きるのが辛い】、収入は【世帯年収○万円・生活に困らない程度だけど不満あり、等】、家族構成は【夫と子ども1人、等】、貯金は【〇円ほど】です。
今後は【転職/休職/独立など】も考えていますが、まだ明確なビジョンはありません。
このような状況から見て、私は「今、仕事を辞めるべき」でしょうか?判断するための視点やアドバイスをください。
このプロンプトの空欄部分、例示部分を自身の状況に合わせて入力することで、一発であなたにぴったり寄り添った具体的なアドバイスを得ることができます。
こちらが実際に私が会社員を辞めた時のケースを元にプロンプトに入力した例とChatGPTの回答です。
【当てはめ型プロンプトを使った質問例】

【ChatGPTからの回答】




いかがでしょうか。
入力した情報はそれほど多くないのに、自分の状況を認めてくれて、どうすれば良いのか冷静かつ的確なアドバイスを導き出してくれています。
2)『自由記入型プロンプト』の使用例
次に、もう少し込み入った事情まで相談したい時などに使える自由記入形式のプロンプトもご紹介します。
自由形式とは言っても、適切なアドバイスをするために、ある程度は記入する内容の枠組みが決まっているので、それに沿って記入してみてください。
「私が辞めたほうがいいかどうか」を、以下の視点で判断してください。
・状況整理(現実):(勤務年数・仕事内容・勤務時間・家庭状況・体調・金銭面など)
・気持ちの整理(感情):(今の仕事に対する気持ち・我慢していること・違和感など)
・今後の可能性(選択肢):(転職、育児優先、パート、在宅など、少しでも考えている方向)
→ 上記をもとに「今辞めるべきかどうか」、カウンセラーのような視点でアドバイスしてください。
このプロンプトを使用して、今度は別の人物の事例を元にカウンセリングしてもらいました。それがこちらです。
【自由記入型プロンプトを使った質問例】

【ChatGPTからの回答】



どうでしょうか。こちらのアドバイスもとても理にかなっていると思いませんか?
衝動的に今すぐ辞めるかどうか決断をするのではなく、でも辛い現状を踏まえて、心身の回復と、今後の選択肢の準備を並行して行おうという提案が、リアルで建設的ですよね。
ちなみにこの人物、私が会社員として働いていた頃に実際に身近にいた男性をイメージしています。上司から目をつけられて事あるごとに怒られていて、周りにいる私たちも居た堪れなかったです。
結局その方は、部署に来て一年後に“別の会社に転職”という決断をされたのですが、新たな場所で能力を発揮して輝いていてほしいなと願うばかりです。
GeminiやFeloでも試した結果
ちなみに、ChatGPTに次いで多くの方に利用されているGeminiやFeloでも同様の結果が得られるのか、試してみました。
使用したプロンプト例は1と全く同じものでしたが、結論、ChatGPTが頭ひとつ抜けて良い回答を得られたと実感しました。その理由は次の3点です。
-
「共感+整理+行動」の三拍子が揃っているから
→ 感情を受け止め、状況を構造化し、さらに次の行動まで丁寧に導いている。「読んで終わり」ではなく「動けそう」に感じられる。 -
ユーザーの言葉を受けた“再解釈”があるから
→ 単に情報整理するのではなく、相談者の文脈を踏まえた「言い換え」や「意味づけ」がされていて、読みながら“腑に落ちる”構造になっている。 -
プロフェッショナルなカウンセリング感があるから
→ 人の相談を受ける時の基本である「共感 → 構造化 → 支援提案」のステップが自然に実装されており、読み手が“信頼してよい”と感じやすい。
もしかしたらGeminiでも、質問を重ねれば同様の回答が得られたかもしれません。ただ、ChatGPTはたった一度の質問で、ここまで深い提案がなされています。
回答には、自分の状況を共感・肯定してもらえる安心感と、状況整理に納得感があり、最終提案をより受け入れやすい形になっていたので、すぐに動けそう!と感じられました。
以上から、現時点ではカウンセリングにはChatGPTがダントツでおすすめです。
参考)GeminiとFeloの実際の回答 及び 3つの生成AIの比較表
現状を詳しく教えていただきありがとうございます。子育てや家事と仕事の両立、仕事内容への適性の悩み、将来への不安など、多くの要素が重なって「仕事を辞めたい」と感じていらっしゃるのですね。
今の時点で「すぐに辞めるべき」と断言することは難しいですが、判断するためのいくつかの視点とアドバイスをさせていただきます。
1. 「辞めたい」という気持ちの深さと持続性
- 一時的な感情なのか、それとも数週間、数ヶ月と持続している強い気持ちなのかを振り返ってみてください。
- 仕事のどんな点に特にストレスを感じるのか、具体的に書き出してみるのも有効です。
- もし可能であれば、信頼できるご家族や友人に気持ちを話してみることで、客観的な意見を聞けるかもしれません。
2. 仕事と家庭の両立の現状と将来の見通し
- 現在の1日7時間の労働時間は、子育てや家事とのバランスを取る上でどの程度負担になっていますか? 具体的なタイムスケジュールを書き出してみるのも良いでしょう。
- 今後、お子様の成長に伴い、さらに時間的な制約が増える可能性はありますか?
- もし仕事を続けた場合、どのようなサポートがあれば両立がしやすくなるでしょうか?(例:時短勤務、在宅勤務、家族の協力など)
3. 仕事内容の適性
- 今の仕事のどのような点が「自分に合っていない」と感じますか? 具体的な業務内容や職場の雰囲気を教えていただけますでしょうか?
- 過去の仕事経験で、もっとやりがいを感じた仕事はありましたか?
- もしパートなど別の働き方を検討する場合、どのような仕事に興味がありますか?
4. 経済的な状況と将来設計
- 現在の収入が途絶えた場合、世帯の貯金1000万円でどの程度の期間生活できるか試算してみましょう。
- お子様の学費について、具体的にいつ頃、どの程度の費用が必要になるか調べてみるのも良いかもしれません。
- パートなどの新しい働き方になった場合の収入見込みと、生活費、将来の学費とのバランスを検討してみましょう。
5. 体調面
- ストレスによる肌荒れや寝不足は、放置すると体調不良につながる可能性もあります。ご自身の心身の状態を大切にしてください。
- もし可能であれば、リフレッシュできる時間を作ったり、睡眠時間を確保する工夫をすることも検討してみてください。
アドバイス
すぐに結論を出すのではなく、これらの視点からご自身の状況をじっくりと見つめ直すことをお勧めします。
例えば、
- 「辞めたい」という気持ちが強いようなら、具体的な転職活動やパートの仕事探しを少しずつ始めてみる。
- 仕事と家庭の両立が難しいと感じるなら、会社に相談してみる、または家事の負担を減らす方法を検討してみる。
- 仕事内容に不満があるなら、異動希望を出したり、スキルアップのための学習を始めてみる。
など、具体的な行動を起こしてみるのも良いかもしれません。
もしよろしければ、上記の視点について、さらに詳しくお聞かせいただけますでしょうか? より具体的なアドバイスをさせていただけるかと思います。焦らず、ご自身のペースで考えていきましょう。
※個人的にはChatGPT > Gemini > Feloの順で良い回答が得られたと感じました。
【3つの生成AI回答の比較表】
観点 | ChatGPT | Gemini | Felo |
---|---|---|---|
構成のわかりやすさ | 明確に3つの整理軸+結論+ステップ提案あり。視点が立体的。 | 質問ベースの整理。やや断片的で一貫性に欠ける。 | 一般的な評価軸を順に提示。箇条書きだが淡白。 |
感情への寄り添い | 丁寧で共感的。最初の段落から「あなたの背景」を踏まえた声かけがある。 | 多少の共感はあるが、感情への寄り添いは控えめ。 | 感情の記述は最小限。論理的アドバイスが中心。 |
具体性・深さ | 各ポイントが深堀りされており、具体的な例・言い換え・リスクにも言及。 | 質問ベースで表面的な印象。深掘りはユーザー任せ。 | 表現が抽象的で、当たり障りなく浅い。 |
アクションの提案力 | 現実的かつ実行しやすいステップが明示されている。 | 行動提案はあるが漠然としており、「検討してみては」止まり。 | 結論やステップの提示がなく、読後感がぼやける。 |
言葉選び・語彙の豊かさ | 状況にマッチした丁寧な語彙で、感情もロジックも含まれている。 | やや単調で説明的。論点は伝わるが情緒に欠ける。 | ビジネス文書のような硬さ。温度感が低い。 |
AIを使う5つのメリット
ここまでで、AIを使ったカウンセリングの有用性を実感いただけたと思いますが、次に、そのメリットも整理してみたいと思います。
辞め時診断やアドバイスにAIを使うことの主なメリットは次の5つです。
手軽で相談するハードルが低い
今回紹介した生成AIの回答はどれも無課金で得られたものです。
つまり、ほんの少しの時間と自分の意思があれば、いつでも・どこでも・無料で利用することができます。
しかも、「仕事の辞め時」のようなセンシティブな内容だと通常は相談相手も限られますが、相談相手がAIであれば誰にも知られずに相談することが可能です。
気遣いも遠慮も全くいりません。
自分の悩みを言語化でき、回答が残る
悩んでいる時は、それを書き出しましょう・言語化しましょうなどとよく言われますが、プロンプトに質問内容を入力することでそれが実行できます。
入力することで、自分自身の思考を整理できるメリットも大きいですし、回答・アドバイスが文字で残ることで、後日振り返ったり、次の行動に繋げやすい点も大きなメリットです。
人は1日で70%忘れてしまうと言われています。
せっかく受けた対面カウンセリングも内容を忘れてしまっては元も子もありません。
受けている最中にメモを取ることや、録音して文字起こしするのもそれなりに大変なので、簡潔にまとまった回答が文字ベースであることは非常に大きいメリットだと言えます。
自分に最適な回答がもらえる
先ほどの事例の通り、得られた回答は客観的且つ、自分自身の状況を踏まえた個別的なものでした。これは、自分一人でネットや書籍で一般論を見ているだけではなかなか辿り着けません。
通常なら転職エージェントやカウンセラー等のプロにお金を払って相談しなければ得られないようなものです。
また、家族や友人や上司などに相談すると似たようなアドバイスがあるかもしれませんが、彼らはプロではなく自分の経験から物事を語りがちですし、「今辞められたら困る、等」それぞれ思惑があります。
AIであれば何の利害関係もなく、彼らと違ってバイアスがないので信頼性があります。
利用制限なしで使い放題
ご紹介したプロンプト1つでもかなり十分なアドバイスをもらえると思いますが、納得いかなければ基本的に何度でも質問を重ねることができます。追加料金などもかかりません。
質問をする中で自分の思考の整理・やるべきことの明確化・具体的なアクションプランまで提案してもらうことができるはずです。
悩んで非生産的な時間を過ごさなくて済む
これは、上記のメリットを総合したものですが、タダで素早く手軽に有益な回答がもらえるなら一人悶々と悩むだけの非生産的な時間を過ごす必要はありません。
時間は命。辞めるかどうかは別として、現状の辛さを解消する対策だけでも早めに行動した方が心身の健康の観点から良いに決まっています。
AIによって悩んでいるだけの時間を減らして、根本解決のために時間を使えることが最大のメリットではないでしょうか。
AIを使う際の注意点
AIの回答を鵜呑みにしない
ここまでAIの回答例やメリットをお伝えして、自分も早くやってみたいなと感じていらっしゃる方が多いかも知れません。ただ、AIの回答が100%正解とは限らないという点については意識しておきましょう。
その理由は、AIの情報は学習データに基づいたものであり、最新情報や個別の状況に完全に対応できないことがあるからです。
そのため、AIを使う際は、「参考情報として受け取り、自分で検証・判断する」ことが大切です。特に、法律や医療、契約のような専門性が高く影響の大きいテーマでは、公式情報や専門家の意見と照らし合わせることがおすすめです。
回答には“肯定的応答傾向”があると理解しておく
今回おすすめしたChatGPTを開発したOpen AI社は次のように発表しています。
より多くの方に生成AIを利用もらいたいため、AIの回答は質問者に寄り添い、肯定的・前向きな回答を出す設計思想にしている。
実際、私自身も『ChatGPTからはかなり”甘い”回答ばかり返ってくるな』と感じています。ですので、よりフラットで客観的な回答、もしくは批判的な意見が欲しい場合は、プロンプトに
- スパルタモードで回答して
- 客観的な事実やデータを踏まえてアドバイスして
などの表現を追加して、偏りのないフィードバックを得るように調整が必要なケースがあると心得てください。
AIが信用できないと思った時は…
AIは信用できない・使いたくないという方や、思ったような回答が得られない、という方もいらっしゃると思います。
その場合は、シンプルにこの判断軸で辞め時を確認するのが良いかなと思っています。
- 辛い状況:我慢になっているか忍耐になっているか
『我慢』なら辞めるべき・『忍耐』なら乗り越えるべき。 - 苦手を克服しなければならない環境か、得意を伸ばせる環境か
終えた後に残るものが『疲労感』か『充実感』かで判断する。 - 他人の目を気になるからだけで続けているなら辞める
自分の人生だから自分の意思で選択すべき。
これは、35万部を超えるベストセラーになった『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の著者八木仁平氏のYouTubeチャンネルで解説されていた内容です。
個人的には、八木氏のこの3つのサインにはどれも納得感があると感じています。
参考にしてみたい方はこちらからどうぞ!
まとめ
2024年頃から、AIはそれ以前に比べて飛躍的に回答精度が向上し、一般に普及するようになりました。現在では多くの方が、AIを単なる「検索」での利用に留めず、「コンテンツ製作」や「相談相手」として利用する方法が広がりを見せています。
「仕事の辞め時」のような問いは、これまで転職エージェントやカウンセラーなどに相談するしかありませんでしたが、AIが普及した今は、まず真っ先に試してもらいたいツールです。
悩んでいるだけで何も行動を起こしていない方には、今すぐ使って時間を有効活用していただきたい。
そして、もし本当に辞めたい・辞めざるを得ない状況になった時は、AIのカウンセリング結果を参考にし、最終的には自分の決断に責任を持って前向きに進んでほしいと思います。
ちなみに、私が会社を退職したのは2024年3月です。その際はAIを使おうという発想は全くなく、自己流で判断をしています。
もしあの時AIに真剣に相談していたら、、、今と違った未来があったのかも知れません!?
あなたの未来が今よりもっと素敵に輝くことを願っています。
ちた