中学受験

私が息子に中学受験をさせたくなかった理由

こんにちは。ちたです!

ちた
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自己紹介記事でもサラッと触れていますが、私が東京から地方へ移住をした背景の1つに
今回の記事テーマとなる、中学受験から逃れたかったという事実があります。

首都圏、特に23区に住んでいると、近年では中学受験と完全に無縁という家庭のほうが珍しくなっているのではないでしょうか。

ただ中学受験がそれほどまでに浸透していくのとは裏腹に、中学受験に対する批判的な意見や失敗談なども数多く聞かれるようになってきました。

今回の記事では、首都圏の中学受験の現状やメリットデメリット踏まえ、
我が家が中学受験をしなかった理由をまとめました。

中学受験をさせるべきかどうかでお悩みの方に1事例として参考になれば幸いです。

なぜみんな中学受験に迷うのか?

過去最高レベルの受験率

中学受験を前にして今多くの家庭が悩むようになった背景に、受験率が大きく増えて周りで受験する家庭が増えたからということが挙げられると思います。

少子化で一人当たりにかけられる教育費が増えたこと、先行き不透明な社会情勢、公立学校の学力低下問題などを理由に受験者数が増え、一昔前までは中学受験するレベルになかった層も受験を考えるようになっていったのではないでしょうか。

下図をご覧ください。これは1998年〜2025年までの首都圏における私立・国立中学校の受験者数と受験率に関する推移を表したグラフです。

出典)首都圏模試センター 2025年首都圏私立・国立中学受験者数速報値データより

2025年の受験者数と受験率はともに前年比マイナスですが、この受験率は過去40年間で2番目。受験者数は過去40年間で3番目に多く、1991年(バブル景気のピーク時)と2007年(リーマンショック前年)のピーク時をいずれも上回っています。

さらに、これを23区に限って見るとこのようなデータがあります。

出典)サピックスから御三家へ!中学受験ブログ 【速報】2024年 東京23区の中学受験率ランキングより

2024年、先ほどのデータでは首都圏全体では20%に満たない中学受験割合でしたが、東京都23区に絞ると30%が、また、受験率上位3区の中央区、文京区、港区などに限ると半数以上が受験をする状態になっています。

私が移住前に住んでいた大田区はこの表では27%ほどの受験率になっていますが、実際に住んでいた学区の受験率は軽く50%を超えていました。

中学受験のメリットデメリット

中学受験を考え始めた時にまず私たちがが気になるのは、そのメリットデメリットだと思います。簡単に比較することが難しいのですが、一般的に言われているものを整理してみたいと思います。まず中学受験のメリットからまとめます。

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  1. 子どもの興味や関心・特性に合わせてその子に合う環境を選べる
  2. 学力や価値観が均等なためより質の高い授業を受けることが可能
  3. 中高一貫校での継続的な教育により大学受験に備えることができる
  4. 合格に向けて目標を決めそれを達成しようと取り組む経験ができる

一方で、中学受験のデメリットはこのようなものに集約されます。

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  1. 中学受験のための塾代や、入学後の授業料等の経済的負担が大きい
  2. 塾の送迎・食事・課題管理・精神面のケアなど保護者負担が大きい
  3. 遊ぶ時間や自由に好きなことをする時間がなくなりストレスになる
  4. 長期にわたる受験のプレッシャーから勉強が嫌いになることもある

逆に、中学受験をしないことによるメリットデメリットも見てみたいと思います。

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  1. 地元の友達とそのまま一緒に過ごせる
  2. 親の精神的・経済的負担が軽くなる
  3. 受験勉強に縛られず、遊びや習い事の時間が取れる
  4. 受験のプレッシャーがなく、のびのびと子どもらしく過ごせる
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  1. 勉強習慣が身につきにくく中学受験している子と比べて学力差が開く
  2. 居住地域の公立学校の教育レベル・環境に懸念がある事もある
  3. 目標に向かって取り組むなど、有意な時間が過ごせない場合がある
  4. 高校受験や大学受験への準備がより大変になる可能性がある

それぞれのメリットデメリットを4つずつ挙げてみました。

 

我が家としては、中学受験をすることのデメリットが最も重みがあると感じます。

中学受験させたい派の本音

では、中学受験をさせたい・させると決めた親はどのような気持ちからその結論に至ったかWeb上にある意見をまとめます。

  1. 「将来の選択肢を広げてあげたい」
    → 公立中学では得られない高度な教育環境や進学実績のある学校に通わせることで、将来的に有利な道を歩ませたい。

  2. 「地元の公立中学の環境に不安がある」
    → 学力や生活態度の差が大きい公立中学よりも、一定の学力層が集まる私立・国立中学で安心して学ばせたい。

  3. 「周囲の影響を受けて焦っている」
    → 友人やママ友の子どもが受験をする流れの中で、自分の子どもだけ受験しないことに不安を感じ、巻き込まれる形で決断。

  4. 「子どもが本気で挑戦したいと言ったから」
    → 親としては迷いもあったが、子どもが「行きたい学校がある」と強く希望し、全力でサポートすることを決めた。

  5. 「親自身のコンプレックスを解消したい」
    → 自分が受験しなかった、あるいは希望の学校に行けなかった経験があり、子どもには同じ思いをさせたくない。

  6. 「少しでも良い大学に入りやすくしたい」
    → 高校受験のない中高一貫校なら、受験勉強に時間を取られず、大学受験に集中できると考えている。

  7. 「子どもの可能性を試したい」
    → まだ先のことは分からないが、試しに受験させてみてどこまで伸びるかを見たい。結果次第で方向性を考えようと思っている。

  8. 「親の社会的ステータスを意識している」
    → 「〇〇中学に合格した」と言えることで、自分の子育てが正しかったと証明したい気持ちがある。

  9. 「勉強を頑張る習慣をつけさせたい」
    → 受験という目標があれば、計画的に勉強する力がつく。将来どんな道を選んでも役立つ習慣を今のうちに身につけさせたい。

  10. 「子どもに合った教育環境を整えたい」
    → 一人ひとりに合った教育方針を持つ私立・国立中学なら、個性を伸ばせるのではないかと期待している。

教育方針や地域の教育環境、親自身の考え・気持ちが複雑に絡み合って結論を出されているのかなと推察します。ただ、周囲に流されて受験するというのが❸というかなり上位に来ているのが気になりました。

中学受験させたくない派の本音

逆の場合も見てみたいと思います。

  1. 「子どもに無理をさせたくない」
    → 幼い頃から受験勉強に追われるよりも、のびのびとした子どもらしい生活を送ってほしい。

  2. 「費用の負担が大きすぎる」
    → 受験塾や私立・国立中学の学費を考えると、家計への負担が大きすぎる。高校や大学の費用に備えたい。

  3. 「公立中学でも十分な教育が受けられる」
    → 住んでいる地域の公立中学のレベルが高く、無理に私立に行く必要がないと考えている。

  4. 「子どもが受験に乗り気でない」
    → 本人が受験をしたくないと言っているのに、親の意向だけで無理にやらせるのは違うと思う。

  5. 「中学受験のストレスが心配」
    → 受験勉強のプレッシャーで精神的に追い詰められるよりも、心の余裕を持った成長を優先したい。

  6. 「高校受験で十分間に合う」
    → 中学のうちは勉強以外の経験を積ませ、高校受験のタイミングでしっかり努力すればいいと考えている。

  7. 「中高一貫校よりも地元の友達と一緒に過ごしてほしい」
    → 受験をすると地元の友達と違う学校に行くことになり、人間関係が変わってしまうのが気になる。

  8. 「親が中学受験を経験していないのでサポートできない」
    → 自分が中学受験をしていないため、受験の仕組みや勉強法をよく分からず、十分なサポートができる自信がない。

  9. 「中学受験に成功してもその後が大変そう」
    → 中学受験で頑張って合格しても、進学後の学習ペースについていけずに苦労するケースがあると聞き、不安に感じている。

  10. 「親子関係を悪化させたくない」
    → 受験勉強のことで親が厳しくなりすぎたり、子どもがストレスを抱えたりして、家庭内の雰囲気が悪くなるのは避けたい。

私自身は、都内での中学受験を避ける決断をしましたが、その大きな理由はやはり❶と❷そして➓でした。都内の私立中学受験では膨大な範囲の学習が必要となり、小学校高学年ともなると、毎日夜まで塾の課題に追われる生活だと聞いていました。これがやりたい、この学校に行きたいという明確な目標が持てない中でその生活に耐えられるとは到底思えなかったし、また、父親がややモラハラ気味なため、受験のために相当なお金をかけているにもかかわらず身が入らない成果が出ないといった状況になった時に親子関係が悪化、家庭崩壊しかねないと思ったのです。

教育専門家の意見

中学受験させない方が良いケース

周りの子が多く中学受験する中、我が家のように「中学受験をしない」という決断をする家庭も今後増えてくるのではと考えています。

ここで、中学受験をしない方が良いケースとしてはどのようなものがあるのか専門家の意見をまとめてみます。

  1. スポーツなど、勉強以外にやりたいことがはっきりしている場合
    → 中学受験に取り組むにはかなりの時間を要します。そのためにやりたいことができなくなってしまうのでは、本人のモチベーションは上がらずストレスが増えるだけなので無理に中学受験をさせても成功は難しい。

  2. 子どもが学習に対して受け身。学ぶことに興味がうすい場合
    → 逆に、新しいことを学び問題が解けることが嬉しい!と感じる子や、好奇心旺盛で様々なものに興味を持ったり知りたいという欲求が強い子どもは自ら進んで学習する姿勢が自然と身についていて、受験勉強に適性がある。

  3. せっかちな性格や精神的な発達ペースがゆっくりな場合
    → 中学受験では、どれだけ時間をかけて取り組んでも簡単に結果に結びつかないことも多く、それに耐えられるだけのストレス耐性や長期的な目標に向かってコツコツ取り組める性格など、精神力がすでに育っている必要がある。

  4. 経済的な負担に耐えられない/費用対効果を重視する場合
    → 中学受験には塾の費用や受験料など、多額の費用がかかります。その費用の捻出が難しい、もしくはその投資に対して、得られる成果が見合わないと判断される場合、受験を見送る選択も考えられます。

我が家は❷〜❹がそれぞれ少しずつ当てはまっているかなと考えます。

無理な中学受験をした場合の末路

無理な中学受験をすることで、理想とは真逆の方向に行ってしまう可能性があるとのお話を、教育評論家の親野 智可等氏が東洋経済ONLINEに寄稿しています。
中学受験について親野氏の考え方や向いている家庭が端的に現れており非常に参考になるためそのまま引用いたします。

最近の心理学でよく言われるのは、今の子どもは小学4年生頃から(早い子は3年生)思春期前期(あるいは前思春期)に入るということです。これは本格的な思春期・反抗期が始まる前の大切な時期です。

この時期によい親子関係のもとで親への信頼感を育てることで、他者信頼感を持てるようになります。また、自分を肯定してくれる言葉をたくさんもらうことで、自己肯定感を持てるようになります。また、自分が本当にやりたいことを十分やることで、生きる喜びを味わったり、自分がやりたいことを自分で見つけて主体的に取り組む自己実現力が育ったりする時期でもあります。

受験は誰のためのものか

ところが、この大切な時期に、無理な中学受験によって真逆な方向に進んでいる親子がたくさんいます。例えば、次のようなことです。

・親から叱られ続けることで自己肯定感が持てなくなり、自己否定感にとらわれるようになる
・親子関係が悪化することで親への不信感が育ち、それが他者不信感にまで発展する
・自分がやりたいことをやれず、やらされることばかりやっているうちに、自分がやりたいことを自分で見つけて取り組む主体的な自己実現力が持てなくなる
・ギリギリの成績で合格し、入学してからも苦しい状態が続き、重苦しい思春期になってしまう

このようなことにならないためには、無理な中学受験でなく、子どもの人生全体を見据えたうえで持続可能な中学受験を目指してほしいと思います。例えば、次のようなことです。

・無理な目標設定をせず、本人ができる範囲のがんばりで届く目標にする
・遊びも含めて自分がやりたいことをやるなど、子どもらしい健全な生活を楽しみつつ勉強する
・中学受験を通して子どもの自己肯定感が高まるようにする
・中学受験を通して親への信頼が高まり、それが他者信頼感に発展するようにする
・少し余裕を持って臨める学校に進学し、ゆとりのある状態で豊かな思春期を過ごす

親が中学受験に一生懸命になるのは、そもそも子どものためのはずです。

それならば、この時期の子どもにとって一番大切な自己肯定感・他者信頼感・自己実現力などの涵養を犠牲にするような取り組み方はやめたほうがよいと思います。

最後に付言しますと、中学受験への強いモチベーションがない、まだ自己管理力が育っていない、学力が伴っていないなどの状態にある子は、潔く中学受験から撤退し、高校受験で勝負したほうがよい結果が得られる可能性があります。

出典)東洋経済ONLINE 「中学受験の弊害」親が想像もしない数年後の苦難 子どもと親子関係に一生涯の「傷」を残す可能性

私立中学受験をしない場合の選択肢

それでは、いわゆる都内の私立中学受験をしないと決めた場合、どんな選択肢があるのかを考えてみたいと思います。以下の3つの選択肢です。

公立中学にそのまま進学

これはシンプルに、地元の公立中学に受験なしで入学する流れです。

下表は私立の中高一貫校に通った場合と公立の中学・高校に通った場合の費用の差をまとめたものです。6年間のトータルでは倍以上、400万円以上の違いがあります。

私立中高一貫校と公立中学・高校の学費の差

項目 私立中高一貫校 公立中学・高校 差額
中学校(3年間) 約431万円 約162万円 約269万円
高校(3年間) 約316万円 約154万円 約162万円
合計(6年間) 約747万円 約316万円 約431万円
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査をもとに作成

 

当然中学入学以前に、中学受験にかかる塾代・特別講習代・模試代・受験代などなどは別途必要ですし、中学や高校に入学後の塾代は含まれていません。

やはり、シンプルに受験にはお金がかかり、それを賄えるだけの経済力がなければ難しいです。移住前、我が家の身近にいた中学受験するご家庭も皆さん、子どもは2−3人はいましたが、おそらく世帯年収は1500万円程度はあったように感じます。

公立中学へ行く選択肢は、その費用の負担感がないだけでもありがたい選択肢ですよね。

ただ、地元の公立中学のレベルがあまり芳しくなかったことから、費用面ではありがたいものの、我が家は積極的にはこれを選択したいとは思えませんでした。

都立中高一貫を受検

これは我が家も一度考えたことのある選択肢です。

私個人的には、都内の私立中学受験は受験用に事前に学ばなければいけない範囲が広すぎて知識の詰め込みのような学習スタイルになってしまうことを懸念していました。受験勉強を通じて、もっと思考力(考える力)を養うような学びができればと思っていたんです。そこで、そのような学びのスタイルで挑戦できる都立中高一貫校の受検(適性検査)を検討しました。

しかし、都立中高一貫校はレベルが高い・数が少なく倍率も5倍近くあるなど高い。しかも自宅から遠いor行きづらい場所にしかない。
私立と比べて費用は抑えられるものの、選択肢が少ない上に、併願受検もできないため、せっかく勉強を頑張っても受検に落ちてしまう可能性が高いです。そのため、私立中高一貫校との併願受験をするケースが多くなります。

このような観点から我が家はこちらも選択しませんでした。

受験のないエリアに引越し

最後の選択肢です。実際にはこれが実行できるご家庭はそれほど多くないと思いますが、我が家はこの選択肢を選びました。

引越し先は私の実家がある愛知県。名古屋まで30分ほどの郊外です。
愛知県はもともと公立王国と呼ばれるほど、公立学校のレベルが高く、実際に私も高校まで公立の学校で学びました。出身高校からは東大・京大・慶應や早稲田に進学する人もちらほら。

この環境であれば、子どもの成長ペースにあわせて、自ら学ぶことの目的を見つけて取り組んでいけるのではないかと思い地元に移住しました。

都内のように多数の私立中学の選択肢があれば、レベルの高い学び・多様な学びの機会は豊富にありますが、そこにアクセスするには多額の費用と本人の資質・努力が求められます。さらに私立中学の選択肢が多いと、それが逆に公立中学のレベルを下げてしまうきらいがあります。

住む場所を変えるだけで、このジレンマから抜け出すことができるのであれば、これも一考だと思いませんか?

最後に

都内では、私立中学受験は多くの家庭が直面するテーマですが、非常に難しい選択肢です。

私は子どもの性格や家庭環境などから中学受験を選ばない選択肢を選びましたが、みなさんはどうされますか?

今回の記事で中学受験のメリットデメリット、そして本人やご家庭に適性があるのかどうか改めて振り返るとともに、我が家の選択肢も参考にしていただければと思います。

ちなみに、移住した後の長男の様子をご参考までに。

長男は移住前に仲の良かった友達が皆中学受験のために塾に通うようになり、また友達に会えるように自分も東京の大学に行くんだと言って塾に通って勉強に取り組んでいます。ただ、昔から興味のあるエリアが狭く、出かけることや世の中に関心の薄い我が長男。その性格は変わらず、現在春休み真っ只中で、YouTubeばかり見て過ごしています…どうなることやら、です。

以下、参照サイト

オンライン学習塾の学研オンエア 中学受験は必要か?メリット・デメリットと適性について徹底解説
ベネッセ教育情報 国公立と私立…いくら違うの?中高一貫校で6年間にかかる総額を比較!
栄光ゼミナール 都立中高一貫校とは?都立中をめざすうえで知っておきたいこと

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